【加害者家族】〈性の自己決定〉原論 援助交際・売買春・子どもの性[本紹介]
今回紹介する本は
〈性の自己決定〉原論 援助交際・売買春・子どもの性
この本を読んで、自分が体験したことや意見と一緒に記事を書いていきます。
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援助交際を始める動機について説明します。
援助交際をする動機には、いくつかのパターンがあります。
・親の過度な干渉や家庭不和による、むしゃくしゃの解消と家庭脱出願望
・失恋の痛手によるヤケ
・単純にお金が欲しいバイト感覚
・相手につかの間の受容を求めるAC(アダルト・チルドレン)的な居場所探し
などです。
被害者の方にも3つ当てはまっている方がいました。
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最初のタイプは、父親との確執が原因である子がかなり多いです。
彼女たちは家庭での葛藤のために、選択肢が最初から一定方向に向きやすくなっています。
その意味では「援助交際」が、真の自己決定に基づく行動ではなく反動形式なのに、自己決定だと錯覚しがちだという問題点があります。
被害者の方にこんな方が居ました。
中学受験に失敗して両親からお金を何も出してもらえず、仕方なくお金を稼ぐために援助交際をしていた子。
ありえないことだと思いませんか?お兄さんは頭もよく、中学受験に合格したのですが、被害者の方は、受験に失敗したせいで家族の輪に入れてもらえなくなったのです。こんなことが本当に起こってよい出来事なのかと思います。
両親も貧乏なわけではありません。むしろ高給な仕事に就いていました。
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被害者の方は両親の描く理想コースからはずれたことで、家庭での全面的な受容を得られなくなっていました。
たとえ子どもが両親の希望通りの進路に進めなかったとしても、「よくがんばったね」などと受容し、応援するのが親の基本ではないでしょうか?
ですが、今の社会では一定のコースからはずれた子どもは、親からの情緒的に排除される傾向があります。
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これ以上なら愛する、以下なら愛さない、という「条件付き愛情」です。
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「中学受験に落ちたらうちの子として認めない」という親であれば、子どもが中学受験に落ちると、そこで愛情の引き上げが行われます。
だから子どもたちは親の価値観からはずれた、自分なりの目標を、たとえ刹那的でも設定しなければ、「自分なんか居ない方がいい」という否定感から逃げられないのです。
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他人より目立つことや、お金を沢山稼ぐことが、「今の自分」の目標になるのならそれでいいのではないか?
と思われるかもしれませんが、
援助交際のなにが大きな問題なのかというと
その目標に「自己決定」が関与しているからです。
まだ未熟な中高生が、自己決定、性の自己決定を判断できないからです。
「性の自己決定」の話は次の記事でしたいと思います。